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2013年 05月 24日

4月28日(中)@フランケン地方出張記2013年春

深呼吸をひとつしてから、玄関のドアに手をかけ、中に入ります。
白が基調の、明るく広いホールに、すでに十数名くらい集まって、グラスを片手に談笑している光景が目に飛び込んできました。
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その中でひときわ長身の方が、私の姿を認めると、ゆっくりと近づいてきました。

「ようこそレッツシュタットへ。お知り合いになれて嬉しいです」

ご主人ルドルフ(Rudolf)さんでした。



HPやFacebookで風貌は存じていたものの、第一印象は「ともかくデカイ」。
背丈は190cmほど。ですが、細身のせいでそれ以上に高く感じられます。
それだけでも風格があるのに、加えて声は低めで太く、ゆったりとした口調。
一見クールな印象ですが、お披露目会の間ずっと周囲に気を配り、ひとりでグラスを傾けている人を見ると話しかけてワインの説明をしたり、他の人に紹介したりと、まことに神経が細やかな方。
奥さんのぺトラ(Petra)さんともども、最高のホスト(super Gastgeber)でした。

* * *

ところで。
ルドルフ・マイ醸造所を訪問するにあたって、私は日本であるミッションを授かっておりました。

それは、東京都町田市の小さな洋食屋「航旅莉屋(こりょうりや)」のマスターからのお土産を渡すことでした。
試飲をお願いしたのがきっかけで、私どものショップからワインを仕入れてくださっている「航旅莉屋」さんのマスター、奥様ともどもマイ醸造所の大ファン。
私が今回の出張のことを話したところ、マスターが「マイさんに差し上げてください」と私に託したのが、これでした。
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サッカー日本代表・清武弘嗣選手のタオルマフラーです。

実はルドルフさん、ブンデスリーガ「1FCニュルンベルク」の熱きサポーター。
フランケン地方を代表するこのクラブへの愛着は並々ならぬものがあり、それはご自身のFacebookページに、クラブのエンブレムを載せていることからもうかがえます。
そして、現在1FCニュルンベルクに清武選手が在籍していることは周知の通り。
同じくサッカーファンであるマスターが、きっと喜んでくれるだろうと購入したものでした。

漢字ひとつひとつを指さしながら、これは「キヨ」、これは「タケ」、「ヒロ」、「シ」ですと教え、Kiyoは日本代表の一員でチームでの背番号は8なんです、日本サッカー協会のオフィシャルマフラーなんですよと伝えたところ、ルドルフさん大喜び!
上の画像を撮影する際は「ちゃんとJFAのロゴと8番が写るようにしなきゃ」と嬉しそうに何度もマフラーの位置を直していました。

もしかして来季はニュルンベルクにいないかもしれませんが、Kiyoの思い出として持っていてくださいと申し上げたところ、

「私は彼がこれからもクラブにとどまり、プレーし続けてくれることを望んでます。
彼は今季、クラブに大きく貢献してくれました。あの素晴らしいフリーキック、パス…お世辞抜きでKiyoは我がクラブのNo.1フィールドプレイヤーだよ」

そして、マスター氏にくれぐれもよろしく伝えてほしいと言い、サッカー談義は終わりましたが、そのあともしばらく、ルドルフさんはタオマフを首にかけたまま、客の接待を続けていました。

* * *

お披露目会で試飲したワインを以下、リスト掲載順に列挙します。

01)2012 Müller-Thurgau Qualitätwein, trocken "Frank&Frei"
02)2012 Silvarner Kalkmineral Qualitätwein, trocken
03)2012 Riesling Kalkmineral Qualitätwein, trocken
04)2011 Retzstadter Langensberg Rieslaner Spätlese
05)2012 Retzstadter Langensberg Silvaner Wellenkalk Spätlese, trocken
06)2012 Retzbacher Benediktusberg Grauburgunder Wellenkalk Qualitätwein, trocken
07)2012 Retzstadter Langensberg Weissburgunder Wellenkalk Qualitätwein, trocken
08)2011 Thüngersheimer Johannisberg RECIS Silvarner Qualitätwein, trocken
09)2010 Retzstadter Langensberg Riesling Auslese

一番の注目は、なんといっても05。
昨年10月上旬に販売ラインナップに載せたところ、年内に品切となった、私のショップ人気No.1の銘柄です。
2012年版の出来はいかに?と興味深く試飲したのですが、期待にたがわぬ仕上がりです。
シュペートレーゼにたまにある「暑苦しいコク」はなく、しかしながら確かにフランケンを飲んだという手ごたえが残る、力強くしかも気品ある辛口。
生産年が変わっても素晴らしい!Wunderbar!
02も文句なし。こちらは05と比べて若々しく、イキのいい酸とミネラルに好感を持ちました。
上記2銘柄とも、ジルヴァーナーのスペシャリストの面目躍如、といったところです。
03のリースリングも、前の年と変わらず安定した出来ばえ。エレガントな香りが良かったです。

昨年見本を取り寄せることができなかった銘柄も、めったにない機会なので試飲。
面白いと思ったのは04です。芳醇な果実香に気分が和みます。なるほどこれが「feinfruchtig」と評される風味かと納得。
08はマイ醸造所のプレミアワイン。メモには「すごくおいしい!(sehr lecker!)」としか書いていません。他に形容する言葉がなかったのでしょう。。
09はEdelsüß(高貴な甘口)と銘打たれている一品。とろっとした濃厚なコク。甘口を飲み慣れてない私ですが、こういうワインもいいものだなぁと思いました。

*

試飲に専念している最中、ルドルフさんが突然、「みなさんご注目!」と言い、おもむろに挨拶を始めます。
15時少し過ぎた頃でした。お客さんもだいぶ増えています。
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本日は私どもの醸造所のお披露目会にご参集いただきありがとう、とお礼の言葉から始めたルドルフさん、今日は私どものワインをうんと試飲して、楽しんでくださいと言ったあと、にこやかに私の方に視線を送り「今日はTokioから私どものパートナー、Tさんがいらっしゃっています」と続けるではありませんか!

え?!

「Tさんは日本でフランケンワイン専門のネットショップを運営し、昨年から私どものワインを販売してくださっています。
現在フランケンの何軒の醸造所と取引があるんでしたっけ?」

急に話をフラれてどぎまぎしながら「4軒です」と答えます。
ルドルフさん、大きく頷きます。

「私どものワイナリーに注目していただいたことを大変嬉しく思っております。
今回はフランケン地方の醸造所を巡る出張の合間に、レッツシュタットにいらしてくれました。
心から歓迎いたします」

ホールに拍手が響きわたります。
なんだか胸が一杯になって、集まった方々にお辞儀をしながら、目頭が熱くなりました。
何百ケースも注文するような大手ではなく、見本を送ってもらったのにごくわずかな本数しかお願いしていない、吹けば飛ぶよな零細ショップなのに。
これ以上温かい紹介の言葉を続けられたら、危なかったかもしれません…


ルドルフさんの挨拶は続きます。

「本日はここに集まってくださったみなさまに、特別なゼクト(Sekt)を提供させていただきます。
こちらをご覧ください」

ルドルフさんが掲げたのは、1,5リットルのマグナムボトルでした。

いったい、何だろう?


(4月28日、続く/To be continued!)
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by marienberg | 2013-05-24 17:24 | ドイツ出張記 | Comments(0)


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