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2013年 05月 16日

4月25日(中)@フランケン地方出張記2013年春

ホテルを出てマイン川に向かって歩き、旅行案内所も入っている「Weinkulturhaus(ヴァインクルトゥーアハウス)」を左手に見ながら、右に曲がるとフロイデンベルガー・シュトラーセに入ります。
この通りには実に7軒ものワイナリーが店を構えていて、シュティヒ醸造所は73番地にあります。
大きい数字なのでおわかりと思いますが、かなり長い通りです。

ホテルから10分くらい歩いたでしょうか。
13時45分、シュティヒ醸造所(Weingut Stich)に到着。
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奥様のヘルガさん、そしてゲルハルトさんが満面の笑顔で迎えてくれました。
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まことに、ほがらかで気さくなご夫妻でした。
せっかくいらしてくださったのだから、最初に醸造所内部をご覧になってくださいとゲルハルトさん。
まずはケラー(地下室)に案内されます。
スチール製タンクも備えてありますが、もちろん木樽も。
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その中で、ひときわ目を引く大きな樽が、シュティヒ醸造所自慢の「Großes Holz(グローセス・ホルツ)」。
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他のワインよりも熟成に時間をかけるため、2012年仕込みのジルヴァーナーはまだ樽の中。

続いてボトル詰めまでの過程の説明を聞き、出荷を待っているワインの保管所に案内されます。
結構広い空間です。ここで目に留まったのが中二階。
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「1901年に建築されたこの建物は、かつて"Zum Löwen(ツム・レーヴェン)"という名の旅籠でした。そしてこのホールは舞台でもありました。あの中二階は観客席だったんです。
買い取った当初はユーゲントシュティール様式の窓も残っていたのですが、ご存知の通りワインに光が当たるのはよくないので塞いでしまいました」とヘルガさん。

「今でもカバレット芸人を呼んで、ここで演じてもらったりしています。もちろん今の時期はワイン置き場になっていて、カバレットどころじゃありませんが」とゲルハルトさん。

このような、世紀転換期の雰囲気を漂わせる空間で、諷刺のきいた寸劇、演芸そして歌をワイングラス片手に楽しんでみたいものです。

*

さて、案内が一段落したところで、試飲開始です。
昨年、日本に見本として送っていただいた銘柄は限定的なものでした。
むろんここには全銘柄揃っています。
めったにない機会なので、遠慮なくワイングラスを口に運びます。

01)2012 Müller-Thurgau, trocken "Frank&Frei"
02)2012 Bürgstadter Centgrafenberg Schwarzriesling, trocken
03)2011 Bürgstadter Centgrafenberg Spätburgunder, trocken
04)2010 Spätburgunder Churfranken, trocken
05)2012 Prichsenstadter Krone Silvaner Kabinett, trocken
06)2012 Bürgstadter Centgrafenberg Silvaner Kabinett, trocken
07)2012 Bürgstadter Centgrafenberg Silvaner Spätlese, trocken
08)2012 Bürgstadter Centgrafenberg Riesling Kabinett, trocken
09)2012 Mainstockheimer Hofstück Riesling Spätlese, trocken
10)2011 Centgrafenberg Silvaner „Großes Holz“, trocken
11)2008 Centgrafenberg Spätburgunder, trocken
12)2009 Centgrafenberg Spätburgunder*AAA* Spätlese, trocken
13)2009 Centgrafenberg Spätburgunder Spätlese, trocken

一番最初に試飲したのが01で、シュティヒさんが造ると「フランク&フライ」ワインもこんな感じになるのかと感心。ソフトな口あたりに好感をもちました。
興味津々で口にしたのが09のリースリング。厚みがあり、まことに印象的な飲み口(畑がツェントグラーフェンベルクでないのがちょっと残念ですが…)。
10の大樽仕込みのジルヴァーナー。これがフランケンワイン?と思うような柔らかな味わい。木の香りがいい感じです。
11~13については、さすがシュペートブルグンダーの名手です、どのワインを含んでも夢見心地になりました。
Traumhaft!

上記13銘柄をゲルハルトさんと共に試飲し、感想を述べ、メモをとり、ときどき雑談を交えながら約2時間経過し、私はすっかりいい気分になってしまいました。
それゆえ最後の方に飲んだワインの感想は、どれも「おいしい」とだけしかメモしておりません。

ところがゲルハルトさんの様子は一向に変わりません。
2,3口飲んで余りは惜しげもなく廃棄用瓶(?)に流し込むものの、結構飲んでいるのに…

「このくらい何の問題もありません。複数のお客さんの試飲に付き合って一日最高62銘柄飲んだことがありますよ」とカラカラと笑っています。
確かに、こうでないとワイナリーの主人はつとまりませんね。

一通り試飲したあとは、楽しみにしていたブドウ畑見学です。
「さて、ツェントグラーフェンベルクへ行きますか」とゲルハルトさんが声をかけてくれました。

「喜んで!」と答え勢いよく立ち上がったものの、ちょいとふらついた姿、おふたりに目撃されなくて、よかったです。


(4月25日、続く)

by marienberg | 2013-05-16 17:18 | ドイツ出張記


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